トゲトゲの体と愛らしい表情で注目を集め、人気となったハリネズミ。
でも、その生態は意外と知られていません。ハリネズミは普段、どんな生活をしているのでしょうか?一人暮らしやお子さんでも簡単に飼育できるのか、その生態を調べてみました。
ハリネズミの生態を5つにまとめてみた!
日本で飼育されているほとんどのハリネズミが、ヨツユビハリネズミ(別名ピグミーヘッジホッグ)です。後ろ足の指が4本しかないことからこの名前で呼ばれており、本来はアフリカのサバンナに生息しています。
ハリネズミは聴覚と嗅覚が発達していますが、特にニオイを頼りに生活しており、エサも鼻で嗅いで探します。
威嚇をしている時には「シュッ」と勢いよく息を吐きます。「怖い」「痛い」などの危険を感じている時には「ピキー」など鋭く鳴くなど、声からその時の感情を読み取ることもできます。
鳴き声自体はさほど大きくありませんので、マンションやアパートでも問題になることはないでしょう。
ハリネズミの詳しい鳴き声の意味や気持ちを知りたい方はこちらの記事から
ハリネズミの生活環境
ハリネズミは恒温動物であり、自分の体温を調節することができますが、暑すぎても寒すぎてもすぐに弱ってしまいます。そのため、飼い主には適切な温度管理が求められます。
室温は1年を通して25℃から28℃をキープしなければいけませんので、夏ならば冷房を、冬ならば暖房器具をつけっぱなしにする必要があります。
また、湿度の変化にも敏感ですので、乾燥する季節には加湿器をつけてあげましょう。
本来ハリネズミは冬眠をする動物です。ただし、それは野生下の話であり、飼育しているハリネズミは冬眠させる必要はありません。
ケージの中の温度が低くなりすぎると、ハリネズミが冬眠の準備を始めてしまうことがあります。食事の量が減った、もしくはあまり動かないと感じるようならば、室温を確認してみましょう。
さらに、ハリネズミは暑くなりすぎると夏眠に入ることがあります。こちらも同様に警戒しましょう。
そしてハリネズミはモグラの仲間であり、夜行性の生き物です。昼に眠り、夜になると活動的になります。そのため、明るい場所はあまり好みません。
ケージの中にも身を隠せるような場所を作ってあげると落ち着きます。また、ケージの置き場所にも配慮が必要です。
直射日光が当たるところは避け、温度が変化しにくい場所にケージを設置します。また大きな音にはびっくりしてしまうこともありますから、テレビやオーディオスピーカーのそばにも設置しないほうがいいでしょう。
ハリネズミの行動パターン
ハリネズミは群れではなく、単独で行動します。
そのため2匹以上飼う場合には注意が必要です。
また、ハリネズミといえば体を丸めて背中の針を立てて身を守ろうとする動作が有名ですが、それだけ警戒心が強い生き物ということでもあります。
慣れてきたら活動的な姿を見せてくれますし、安心している時には針が寝ているので背面にタッチすることもできます。
ただし、急に大きな音をたてたり、驚かすような仕草をしたりするとすぐに体を丸めてしまいます。そのため、飼育用のグローブをつけてお世話することをおすすめします。
ハリネズミの食生活
野生下のハリネズミは小さな生き物を捕食しています。昆虫やミミズだけでなく、カエルやトカゲなどの爬虫類、イモムシ、鶏のひなや卵を食べることもあります。
ただし、完全な肉食ではなく、植物や果実も食べています。
飼育しているハリネズミの場合は、専用フードを食べさせるほか、生きたままのコオロギやミルワームなどを与えるのが一般的です。
個体によっては、オレンジやリンゴなどの果物を食べることもあります。慣れれば、飼い主の手からエサを食べることもあります。
加齢とともに顎の力が弱くなるので、フードをお湯などでふやかしてから与えましょう。
なお、ハリネズミのエサにドッグフードやキャットフードが代用できるという意見もありますが、緊急時以外に専用フードを食べさせてはいけません。
ハリネズミの寿命
飼育下にあるハリネズミの寿命は、3~5年です。野生のハリネズミは3年前後しか生きません。
ただし、不潔な飼育環境におかれたり、人間用の食べ物を食べさせたりしていると短命になりやすいでしょう。ストレスを与えないことも大事です。
短い命なのに病気にかかってしまうとさらに短い命になってしまうこともあります。ストレスをなるべく与えずにいつもと違う様子がないかを、よく観察してください。
ハリネズミの特徴的な行動
ハリネズミは緊張状態に陥ると、自分の唾液を針に塗りつけるアンティングという行動をとります。
体をねじらせながら針に唾液を塗り込んでいくこの動作は、とても特徴的なものです。
「泡つけ」「香油塗り」とも言われるこの行動をする理由は、実はよくわかっていません。
しかし危険はありませんので、アンティングをしていても止める必要はありません。
まとめ
ハリネズミの生態をみると、飼育はそこまで難しくはないものの、毎日きちんとお世話をしなければいけないことがわかります。「適度な室温管理」と「ストレスの排除」を徹底することが大事です。
大切にかわいがってあげれば長生きしますので、ハリネズミの生態に沿った飼育方法を実践してあげましょう。