近年、ブームが再燃しつつあるプレーリードックですが、愛らしい仕草や外見とは裏腹に「暴れん坊」の一面を耳にした事もあるのではないでしょうか。
「家が滅茶苦茶になった」、「思い切り噛まれた」など既に懐いている筈の個体ですら突如として暴れだしたり飼育者を噛むこともあるんです。
今回は彼らの習性から「暴れん坊」の一面や、何故、どうして噛むのかなど詳しくまとめてみました!
相反する攻撃的な一面
野生下において彼らは動物的本能から攻撃的な一面を見せる時があります。
縄張り争いや、自身のコテリー内に侵入してきた個体を排除しようという行動です。
縄張り争いなどでは新たに縄張りを開拓するため既に住んでいるコテリーを排除したり見せしめのためだけに相手を噛み殺したり生き埋めにします。
しかしこれは多くの動物でも起こり得る事ですからプレーリードックに限った話ではありませんし基本的には温厚な動物です。
暴れん坊インタビュー
筆者が幾つかプレーリードックを飼われているお宅を取材して来ましたところ、暴れん坊の存在が明らかになりました。
被害状況を幾つかご報告させていただきます。
A氏宅「ユキちゃん2歳」
A氏が買い物のため短い時間だからと普段は一緒に入るサークルに「ユキちゃん」を残し出掛けたそうです。
買い物先のスーパーでたまたま友人と出会い話し込んでしまった事から2時間程留守番をさせてしまったため急いで帰宅すると、そこには・・・
変わり果てた自室の姿が・・・。
サークルは連結式だったため留め具が外れ倒れてしまっていて「ユキちゃん」の姿は見えず、慌てて名前を呼びながら室内を探し回っていると無残にも穴の開いたベッドが・・・。
恐る恐るベッドの下を覗き込むと、満足気な「ユキちゃん」がスヤスヤと眠っていたそうです。
H氏宅「コウガくん3歳」
H氏は普段からケージの二重ロックを徹底していましたが、この日は慣れもあってケージのロックのみで仕事に出掛けたそうです。
自宅は1LDKのマンションタイプで玄関に続く廊下の扉は開いたままになっていました。
H氏が帰宅すると荒された形跡から先ず疑ったのが「空き巣」です。
携帯電話を手に取り110をダイアルし、後は通話ボタンを押すだけの状態で部屋の中を確認していきます。
フローリングの床には所々、引っ掻いたような傷跡がありローテーブルの卓上にあった食器や書類は床に散乱していました。
ふと視線を上げ半分だけ落ちたカーテンが傷だらけであった事から、もしや、と「コウガくん」の名前を呼んでみます。
返答は無くケージにも姿はありません。
慌てて家具の隙間や押し入れを探してみるも見つからず放心状態で座り込んでしまいました。
暫くするとガサゴソと物音がしたので目を凝らしてみると、食器棚の下段が開通している事に気付きます。
棚を動かすと裏側にはお腹を向けて満足そうな「コウガくん」の姿を見つける事が出来たのでした。
どちらの場合も配線コードを齧って感電してしまったり、火災に繋がる様な事にはならず本当に良かった例です。
しかし齧歯目の動物は習性から何でも齧ってしまうので気を付けなくてはなりません。
また、彼らはとても利口で器用ですから普段、飼育者がケージを開けている開け方などを見て覚えてしまうんです。
常に万が一に備えて安全面を考慮しておくべきですし、脱走できないようケージの二重ロックは必ず行うようにしましょう。
とは言え、どちらも無事で何よりでした。
H氏は退去時の費用が怖くて未だに、その物件から引っ越せないそうです。
攻撃的になる時期がある?
普段は温厚な彼らですが、晩秋から春先にかけての発情期には必ず攻撃的になります。
飼育環境の温度により時期は多少前後しますが、気性が荒くなったり見るからに攻撃的になるので、この時期は出来るだけスキンシップは控えそっとしておいてあげましょう。
もし発情期の時期以外で飼育者を噛むような場合は、過度なストレスや強い不安を感じている可能性が高いです。
この場合は怒ったりするのではなく気持ちを理解し、不安やストレスの原因を早急に取り除いてあげましょう。
プレーリードックの「しつけ」については他の記事でまとめていますので宜しければ参考にして下さい。
まとめ
本能から発情期に気性が荒くなる動物は多いです。
プレーリードックの場合も同様ですから発情期には出来るだけ静かな環境でそっとしておいてあげるのが望ましいでしょう。
しかし発情期以外で飼育者を噛んだり、見るからに機嫌が悪い状態が散見されるのであれば、不安や過度なストレスを感じさせてしまっている原因があるはずです。
決して怒ったりはせず早急に原因を取り除き、安心出来る環境でゆっくり休ませてあげて下さいね。