愛らしい仕草と人懐っこさで人気のプレーリードック。
彼らと暮らす上で彼らにとっての「遊ぶ」とは一体どのようなものだと思いますか?
今回は彼らの生態や気持ちを理解し、飼育する上での正しい「遊び方」や注意点についてまとめてみました。
彼らにとっての「遊ぶ」って何だろう?
プレーリードックに限らず、多くの動物で見られる「じゃれ合い」「ケンカごっこ」など、幼い個体では「遊ぶ」という行動は幅広く、好奇心の限り存在します。
しかし大人になると、そういった行動は極端に少なくなりますし野生下と違って飼育環境下では毎日、餌がもらえます。
従って自分で餌を探しに行く事や外敵に注意を払い、周囲の確認をする行動なども必要が無くなるのです。
毎日が同じことの繰り返しでは人間でもストレスを感じるでしょう。
彼らは普段「ケージ」という檻の中で行動し考える選択肢すら無いのです。
つまり彼らにとっての「遊ぶ」ということは、ストレスの解消にも繋がる「新たな発見」や「考える」事を通して好奇心を刺激してあげる事だと言えるでしょう。
刺激と本能的欲求
皆さんは、どのような時に好奇心が刺激されるでしょうか。
「新しいおもちゃ」や「新しい発見」があった時。自分で何かを「考え」行動した結果で「おやつ」を見つけることが出来たとしたら、毎日が楽しくなると思いませんか?
日々の暮らしの中で「遊び方」を工夫し、彼らの好奇心をくすぐってあげる事が大切なのです。
野生下では仲間たちと常にコミュニケーションを取り合ったり、穴を幾つも掘ってみたり、餌を見つけ巣に持ち帰るには、コテリーで協力し合って外敵から身を守るため見張りを行ったりしていたのです。
常に考えて行動していた事が、飼育下では無条件にもらえる餌と安全を手に入れた事で不要となり、「危険」が無い代わりに「自由」や「刺激」も無いのです。
贅沢な悩みに思うかも知れませんが、野生動物にとって日常的にしていた行動を抑制されるという事は大きなストレスとなります。
工夫を凝らした「遊び」を通して「餌」を隠し探させることで「本能的欲求」を掻き立てたり、「新しいおもちゃ」を与えて「知的好奇心」を刺激してあげましょう。
「お部屋遊び」の注意点
ケージから出し「お部屋遊び」をするのであれば、飼育者として事前に彼らの「安全」を確保してあげる必要があります。
お部屋の中には様々な危険が潜んでおり、万が一、怪我をさせてしまったら元も子もないですからね。
先ずは「電気コード」などの配線です。
齧歯目は何でも噛んでしまう習性があるので、使用中の電化製品のコードを噛んでしまった場合、感電し最悪の場合、死に至ります。
必要なもの以外は撤去し、コードが露出する場合はカバーを被せるなど噛まれないよう防護策を整えましょう。
次に「カーテン」です。彼らに高い場所へ昇る習性はありませんが、長い爪が引っ掛かってしまい好奇心から登ってしまう事があるんです。
彼らは高い所から飛び降り慣れていませんから、骨折などの怪我に繋がる恐れがあります。
他にも家具の隙間や、僅かなスペースに潜りこんでしまい、身動きが取れなくなる可能性があるなど、人間の生活環境下では彼らに危害が及ぶものが非常に多いので「安全」を確保してから出してあげるようにしてくださいね。
ケージから出す際は、必ず飼育者の観察下で遊ばせてあげましょう。
まとめ
野生動物を飼育するという事は、出来るだけ彼らの習性に近い環境を提供してあげる必要があります。
しかし室内を土で満たす訳にもいきませんから、せめて彼らの暮らしが楽しい日々であるように飼育者の工夫が必要なんです。
彼らの「好奇心」を掻き立て、毎日の暮らしを楽しんで過ごしてもらう事は飼育者との深い「絆」にも繋がりますし、アナタだけが観れる幾つもの表情や反応がより一層「癒し」を与えてくれるでしょう。
工夫を凝らしたオリジナルの「遊び方」で彼らを楽しませ、素敵な関係を築いていって下さいね。