プレーリードッグ

プレーリードッグの繁殖について

近年、ブームが再燃しつつあるプレーリードック。

愛くるしい仕草や人懐っこい性格は飼育者を心から癒してくれている事でしょう。

そんな彼らとの生活を送る中でやはり考えたくなってしまうのが「繁殖」についてです。

一般的に難しいとされるプレーリードックの繁殖ですが、今回はその前に考えておくべき事や手順、繁殖における注意点など、まとめてみました

「繁殖」の前に考えておくべき事

プレーリードックを家族として迎え入れた以上、家族の赤ちゃんが見たくなるのは必然の流れかも知れません。

普段から愛らしい仕草を魅せてくれていますが、赤ちゃんの可愛さは世界共通、別格の「癒し」です。

しかし、新たな「命」への責任は飼育者にあり、管理出来ていなかったために誤って生まれてしまったでは済まされない事なのです。

プレーリードックの出産は最大で6匹、今現在飼われている個体と合わせて8匹になる訳です。

全ての子に同じだけ愛情を注いであげられるのか、4倍にもなる飼育費用を払って世話を続けられるのか、など先々の事まで考えなくてはなりません。

また、幾つものケージで区切るだけのスペースが確保できなくては、子供たちも交尾してしまいネズミ算式に増えてしまう可能性も在ります。

動物たちは本能から子孫を残そうと必死です。

決して「命」を軽んじることなく、1匹だけ欲しい、など半端な覚悟で臨むのであれば「繁殖」はさせない方が望ましいでしょう。

「繁殖」の手順について

プレーリードックの性成熟は、通常約2年と言われています。

先ずは性成熟した個体同士を選ぶのが大前提となります。

次に健康ですが、飼育下における健康面に加え、遺伝性の病気を持っていないかなど予め確認しておくと良いでしょう。

健康で性成熟を迎えたメスとオスが揃ったなら、後は時期です。

野生下における繁殖シーズンは1月~4月ですが、飼育下では環境が安定しているため多少前後します。

加えてプレーリードックの繁殖が一般的に難しいとされる理由でもあるメスの発情期ですが、僅か数時間しかありません。

周期も2~3週間に一度だけですから、交尾の機会は非常に少ないのです。

性成熟したオスはいつでも交尾可能ですので、時期が近付いたら一緒にさせておく必要があり、ケンカしないかなど2匹の相性はとても重要なポイントです。

「繁殖」における注意点

一番に挙げられるのが「体格差」です。

一般的にメスよりもオスは体が大きいため、「体格差」のある2匹に交尾をさせてしまうと、オスの遺伝子を受け継いだ胎児も大きく育ち、難産になる可能性が非常に高くなります。

続いてメスの「性格・性質」です。

あまりにも普段から神経質な個体だと、出産後、ストレスを感じやすく「育児放棄」や「子殺し・子食い」に繋がる恐れがあります。

そのため出産には、人に良く慣れていて大人しい個体を選ぶようにしましょう。

「育児放棄」や「子殺し・子食い」と言った行動は、落ち着かない環境や栄養不足によって母親が育てていけないと感じる事に起因します。

繁殖をさせるのであれば、先ずは環境を整えてあげる事から始めましょう。

プレーリードックの輸入は禁止されているため、現在購入できる個体は国内で繁殖されたものに限られます。

そのため近親交配にならないかなど事前に出生についても確認しておくのが望ましいです。

まとめ

プレーリードックの繁殖は一般的に難しいとされていますが、「本能」を決して甘く見てはいけません。

繁殖をさせるつもりが無くても一緒にさせていれば飼育者に責任があります。

赤ちゃんが生まれてからどうしよう・・・ではあまりにも無責任ですし、そもそも飼育する資格や責任能力が無いと言わざるを得ません。

先々の事までしっかりと考え、「命」の重みを充分に理解してから臨むようにして下さいね。