近年、再び人気を集めているプレーリードック。
愛らしい仕草や人懐っこさが魅力的だとは言っても「しつけ」が出来る、出来ないは飼育者にとって非常に大きなポイントであると言えるでしょう。
今回はプレーリードックに対しての「しつけ」及び「習性利用」や彼らと暮らす上で必ず迎える発情期の変化など、まとめてみました!
プレーリードッグに「しつけ」は出来る? 出来ない?
結論から言って、殆ど出来ません。
しかし、結果的に仕向けるようには出来る事が多いんです。
例えばトイレトレーニングですが、彼らは野生下にて巣穴の中で排泄する場所を決めていました。
飼育者の指定した場所で排泄させることは非常に難しいですが、特定の場所でのみ排泄するという習性を利用し、彼らが排泄した場所にトイレを設置すればいいのです。
トイレで排泄する事を完全に覚えてから本来設置したかった場所にトイレを移動すると、その場所でしてくれる個体が多いです、が中には元々していた場所に拘る子もいます。
彼らのストレスにならないよう、無理に変えさせようとはせず素直に諦める事も彼らとの生活において重要です。
他には「噛み癖」に悩んでいる飼育者の方が多く居らっしゃいますが、実は「しつけ」が必要では無く、齧歯目特有の何でも噛んでしまう習性ですから「噛む」こと自体を「治す」のは出来ません。
しかし代わりに噛めるおもちゃを与えるなどして対応しても、噛みにいってしまう特定のものがあった場合には「タイムアウト」という手法があります。
絶対に噛んで欲しくない、噛んだら危ない、もので室内から撤去出来ないのであれば、噛んだ瞬間に大きな声で叱り、直ちにケージの中へ戻します。
その後、鳴き声などで飼育者を呼んでいても一切を「無視」します。
強い社会性を持つプレーリードックにとって「家族」であり「仲間」でもある飼育者に「無視」されてしまうというのは非常に嫌な事なのです。
こうして「アレを噛んだら無視される」と覚えさせる手法を「タイムアウト」と呼びます。
飼育者を噛む?
前述の「噛み癖」とは、あくまでも何か「物」を噛んでしまう事についてです。
飼育者に対して「噛む」という行動心理には、強いストレスや不満を感じている「理由」が必ずありますので彼らの気持ちを考えずに「タイムアウト」や「叱る」などといった行為をしてしまうと信頼関係を損なってしまうでしょう。
噛まれたら決して「叱る」のでは無く、ストレスや不満を感じている原因を探し、早急に改善してあげる事で飼育者を噛むことは無くなります。
噛まれたなら喋れない彼らからの不満を告げるメッセージだと思ってくださいね。
因みに信頼関係が出来ていない迎え入れたばかりの個体であるならば、飼育者に対しての「警戒心」から噛んだのだと推測できます。
その場合は焦らず彼らが安心して暮らせるよう、環境を整えながら警戒心を解いてくれるまで気長に待ってあげましょう。
発情期の攻撃性について
上記で挙げた理由以外にも飼育者に対して威嚇し、本気で噛み付く時期があります。
それが発情期であり、野性味溢れる動物を飼育する以上は宿命だと言えるでしょう。
オスは特に気性が荒くなり「しつけ」や「なだめる」などといった事は一切できません。
この時期だけは、例えどんなに普段大人しい個体であっても豹変しますので、飼育者として出来る事は、ただ静かな環境を整えてあげるだけなのです。
アメリカではこうした時期を無くすために去勢手術を推奨していますが、日本では発情期だけの問題であり、普段の性格を変えてしまうリスクを負ってまで行う必要は無いと一般的に推奨されていません。
まとめ
強い社会性を持ち、利口なプレーリードックですが、一般的に言われている「しつけ」は正直出来ません。
ペットとしての歴史は浅く、野生下でしない事は出来ないし解らないのです。
しかし彼らの習性を理解し利用する事で飼育者の理想に近付ける事は出来ますし、「噛み癖」についても殆どが住環境に対する不安や不満であるため「原因」を改善してあげれば直ぐに解決するでしょう。
彼らの気持ちを理解してあげる事で、飼育者との「絆」はより一層深まります。
先ずは叱責するのではなく彼らが何を考えているのかアナタが歩み寄り、汲み取ってあげて下さいね。