夏の蒸し暑い時期になるとゴミの周りなどに集っているハエをよく見かけます。
人体に直接、影響を及ぼすわけではないですが、羽音が鬱陶しく気になって眠れない経験をした方もいるのではないでしょうか。
そんなハエにも多くの種類が存在します。
今回は、ウマバエという、人にも危害を加えるような危険なハエについて迫っていきます。
生態や被害例、その対策などをまとめました。
Contents
ウマバエの生態と特徴
ウマバエの生態や特徴、生息地などに迫っていきましょう。
分類
双翅(ハエ)目ウマバエ科の昆虫。
体長
約1.2cm~1.7cmで、ハエの中では大型になります。
体色
黄褐色、赤褐色をしていて同色の細かい毛に覆われています。
生息地
アフリカや東南アジアなどの、熱帯に生息しており、種によっては中南米にも生息してます。
日本では、馬の多い北海道や東北地方に生息していると言われています。
特徴
別名ヒトヒフバエ。
触覚は短めで、複眼も小さいので普段見かけるハエを想像するよりも、どちらかといえばハチやアブに近い姿をしています。
夏の終わりから秋始めにかけて活動が活発化します。
馬や犬などの動物に寄生して体内の肉を侵食する寄生バエです。
一度の産卵では、約100個もの卵を産みつけます。
ウマバエの寄生の仕方
日本にも少なからず生息しているようなので、危険性はないとは言い切れません。
次は、ウマバエの寄生の仕方などについてまとめました。
ウマバエの中にも人に寄生するタイプとしないタイプが存在する!
ウマバエは主に、馬に寄生し、さなぎから成虫になります。
しかし、ウマバエの中には人に寄生し成虫になる種類も存在します。
日本では、人に寄生する種類は生息してません。
馬に対する寄生方法
馬に寄生する際、ウマバエはまず前足の毛に卵を産みつけます。
そうすることで、馬が毛繕いをした時に、卵が口内へと運ばれるのです。
馬の体内で孵化した幼虫によって、胃や腸の腐食や潰瘍などの炎症が引き起こされます。
最悪のケースの場合、死に至る危険性もあります。
人に対する寄生方法
一方で、人に寄生する種類は直接卵を産みつけるようなことは行いません。
まず、蚊やダニなどの吸血する昆虫に卵を産みつけます。
それらの昆虫が吸血した際に、人の体温によって卵が温められ、孵化して吸血された皮膚の穴に潜り込み寄生します。
想像するだけでもゾクっとしますよね。
猫に対する寄生方法
ウマバエが猫に産卵してしまい、そのまま孵化してウジが体内をむしばみます。
健全な猫であると、ハエを追い払うことができるので卵を産み付けられることはありません。
そのため、元気がない場合注意が必要です。
ウマバエに限らず、体内にウジが寄生してしまう病気を「ハエウジ病」と言います。
ウマバエの被害例
胃潰瘍や皮膚炎などの様々な炎症を引き起こす可能性があり、とても恐ろしく感じます。
ウマバエも種を生存していくためとはいえ、やはり人に危害を加えると考えると同情はできません。
そんなウマバエの被害例についていくつかご紹介します。
2018年アメリカでの被害例
2018年アメリカでウマバエの寄生による被害例が発見されました。
被害にあったのはアメリカ在住の女性。
当時アラスカ州の川でサケを釣っていたところ目に異物感を感じ始めたそうです。
最初は、まつ毛が目に入ったかと思った彼女は、何度も目を洗ったりしたそうなのですが、見つからずその後、5日ほど放置したそうです。
いらだちを覚えた彼女は、遂に決心し、まぶたをめくりあげ、赤くなった部分を引っ張ると、指先に小さな虫がくっついていました。
人の目に寄生したウマバエの幼虫はこれが初めての被害例でした。
1994年ブラジルにおける日本人の被害例
当時、21歳の男性は数人の仲間たちとピラニアの捕獲目的でブラジルのジャングル地帯に出向きました。
その途中で、右腕を蚊のような虫に刺され徐々に赤く腫れ上がったそうです。
帰国後、病院で受診。
抗生物質を処方してもらい、症状は軽減されたそうなのですがその後、半透明の幼虫が自身の体の中に出入りするのを発見しました。
男性は、阻止しようと試みましたが、幼虫は素早く潜り込んでしまいます。
出入りを繰り返し、やっとの思いで幼虫を捕まえた男性は幼虫を持参し、もう一度病院へ受診。
検査後、その半透明の幼虫がウマバエの幼虫であったことを告げられたそうです。
2002年ガンビア共和国での犬の被害例
本来、ウマバエは馬に寄生する虫ですが、ガンビアで犬に寄生したという被害例が報告されました。
腹部の肉が侵食され、体に大きな穴をあけた一匹の犬が動物病院へと運ばれました。
穴からはおよそ20匹ほどの幼虫が発見され、体内を動き回っていたそうです。
一命は取り留めたそうですが、顔に生気が感じられないほど衰弱していたそうです。
まとめ
日本での被害例は今のところは、報告はありません。
しかし、「旅行中に寄生され、帰国したら大変な事に…」なんて話も今後あるかもしれません。
思ってたよりウマバエは、大きく、群れで蠢めくウマバエの幼虫にはとても気持ち悪いです。
ぜひ動画を検索して見てください。
ウマバエ以外にも、人間に寄生する虫は数多く存在します。
日本で感染する寄生虫もいるので日本にいるからといって気を抜くことはできません!