![](https://white-veil-maltese.com/wp-content/uploads/2021/03/istockphoto-635477020-170667a.jpg)
タマゴを産みくちばしを持つ哺乳類で有名なカモノハシ。
なぜタマゴを産むのか、何を食べているのか、不思議な生き物です。
日本で観察することはできず伝説の生き物のようですが実際に地球上に生きています!
カモノハシの秘密をまとめました。
カモノハシの生態
カモノハシの生態についてご紹介します。
カモノハシの名前の由来
カモノハシは、鴨のようなくちばしを持つという意味です。
みたままの名付け方です。
カモノハシを漢字で書くと鴨嘴です。
カモのくちばしと書きます。
カモノハシを英語で言うと?
カモノハシは英語で「platypus」と書き、プラタパスと読みます。
platy-…平らな
-pus…足
つまり、「平らな足を持つもの」という意味です。
カモノハシの水かき部分が由来の呼称であることがわかります。
もうひとつの呼び方に「duckbill」があります。
アヒルのようなくちばしという意味です。
和名のカモノハシと似ています。
カモノハシの生息地
カモノハシの生息地はオーストラリアです。
しかも、オーストラリアの東部から南部の湖や川にのみ生息する固有種です。
カモノハシは何類か
哺乳網単孔目カモノハシ科カモノハシ。単孔目または単孔類に分類されます。
単孔目の生き物はカモノハシ科とハリモグラ科の2種類が現存しています。
単孔目の分類上の特徴は、総排出腔を持つことです。
鳥類や爬虫類のように、糞、尿、卵を同じ孔から排出します。
カモノハシの種類
![](https://white-veil-maltese.com/wp-content/uploads/2021/03/beer-2370783__340.jpg)
カモノハシ科は1属1種のみ、ハリモグラ科は2科2属4種のみが生息しています。
つまり、カモノハシの仲間はほぼいないということになります。
カモノハシの寿命
カモノハシの平均寿命は17年前後、最長21年とされています。
カモノハシの特徴
約1億5000年前から生きている「生きる化石」ということが特徴です。
なぜ生き残ってきたかは解明されていません。
環境が安定していたこと、生物学的競争が少なかったこと、が生き残りの理由です。
オーストラリアには水中で暮らす哺乳類がほぼいません。
餌と生息地域が他の哺乳類に取られることがなかったため、生き残っていると考えるのが妥当です。
カモノハシの大きさ
カモノハシは全長50cm前後で、体重が1~2kgです。
他の動物に比べてとても軽い身体を持っています。
柔らかい体毛をたくさん持ち、保湿性、防水性を高めています。
カモノハシの餌
カモノハシは肉食性です。
カモノハシの食べ物は、昆虫類やミミズ、水中の甲殻類や魚類です。
陸でも水中でもどちらの生き物も食べることができます。
カモノハシの鳴き声
カモノハシはあまり鳴きません。
ただ、鳴き声は、くちばしの持つ鳥と哺乳類の中間のような鳴き声で「ググググ、ガガガガ」のように鳴きます。
カモノハシの体温調節
カモノハシを代表とする単孔類は体温調節が苦手です。
平熱は25~36℃
恒温動物なのですが、体温の幅を考えると変温動物のような一面も持っています。
カモノハシの子育て
カモノハシは卵を産みます。
卵の小ささにびっくりです。
カモノハシの繁殖時期
オーストラリアの春に行われます。
8月~10月です。(南半球なので季節が日本と反対です。)
交尾は水の中で行われ、メスから求愛するようです。
カモノハシの出産
カモノハシの妊娠期間は1ヶ月程度で1~3個の卵を産みます。
卵を産んだ後、尻尾と体の間で約10日間温め、子供が生まれてきます。
カモノハシの卵
カモノハシの卵の大きさは15~20mm。
ニワトリの卵が60mmなので、とても小さい卵を産みます。
カモノハシの赤ちゃん
生まれたての子供の大きさは2cmぐらいです。
生まれてら約4ヶ月間は母親の乳腺から出る母乳を飲んで成長します。
赤ちゃんは、専用の巣穴に入れられ育てられます。
巣穴は複雑な構造をしており、長さは30mに及ぶものもあります。
カモノハシの独り立ち
独り立ちは生後6ヶ月前後で独り立ちします。
具体的には、自分で泳げるようになったらです。
6ヶ月で独り立ちするのは意外と早いですね。
繁殖可能年齢は?
カモノハシの性成熟は2歳で完了します。
それまでは繁殖を行いません。
カモノハシの気になる豆知識
![](https://white-veil-maltese.com/wp-content/uploads/2021/03/books-1204029__340.jpg)
カモノハシの秘密についてまとめました!
日本で観察できない理由に、実は秘密があったのです。
カモノハシを飼うことはできる?
カモノハシはペットとしても、動物園でも飼育することができません。
理由は、オーストラリア政府がカモノハシの輸出を禁止しているからです。
輸出だけではなく、オーストラリア以外でカモノハシの飼育も禁止しています。
オーストラリアの動物園だけでカモノハシが飼育されるのはこれが理由です。
カモノハシの値段は?いくらで買うことができる?
カモノハシは販売されていません。
値段をつけることはもちろん、購入や飼育を行うことができません。
カモノハシは実は毒持ち?
オスの後ろ足に毒を持つ毒爪が生えています。
毒針は、縄張り争いや外敵との争いで用いられます。
毒の成分はマムシと同じ出血毒です。
毒の強さは、一回のキックで犬ぐらいの大きさの動物を殺せるほど強いです。
人間が刺されると、激しい痛みが約3ヶ月も続きます。
地球上で毒を持つ哺乳類はカモノハシとトガリネズミの2種類だけです。
トガリネズミは日本のも生息していますが、なかなか生きた個体を見つけれない伝説の生き物です。
カモノハシのくちばしは何のため?
カモノハシのくちばしは水中で活動するための能力を備えています。
くちばしは、ゴムのような柔らかい素材でてきています。
くちばしには、4万個近くの電気センサーが備わっており、生物の発する微弱な電流をキャッチすることができます。
この能力を用いて外敵を見つけたり、獲物を捕獲したりします。
真っ暗な夜の川や濁った水中で目が見えなくても獲物を捕獲できるのは、このエレクトロ・ローケーション(電気定位)のおかげです。
エレクトロ・ロケーションを用いる動物は、カモノハシの他にもいます。
サメ、電気ウナギ、ミツバチなどです。
食べられる側からしたら隠れても無駄なので恐ろしい能力です。
カモノハシと一般的な哺乳類の違い
カモノハシには哺乳類の特徴である乳首がありません。
しかし、授乳は行います。(哺乳類ですから)
カモノハシは、腹部にある乳腺からじわじわと母乳を出して子供に飲ませます。
乳腺から母乳を飲む生物は約2億年昔に存在していた原始的哺乳類のなごりです。
カモノハシの大きい尻尾はなんのため?
カモノハシの大きな尻尾は主に3つの機能を備えています。
・泳ぐ時の舵取り
泳ぐ時にビーバーのように尻尾で舵をとって泳ぎます。
・脂肪の貯蔵
脂肪の貯蔵を行い、体温の調節や栄養不足を補います。
・巣作り
しっぽを使って資材を運んだりすることができます。
カモノハシの呼吸頻度は?
カモノハシは主に水中で生息しています。
最大11分間潜水することが可能で、通常は1~2分程度で息継ぎをします。
水中では、目も耳も塞いで、エレクトロ・ロケーションを用いて水中の状況を把握します。
ちなみにハリモグラってどんな動物?
ハリモグラはカモノハシと同じ単孔類の動物です。
背中にトゲを持ち、つぶらな瞳と、長い口先が可愛い生き物です。
オーストラリアにのみ生息し、アリやシロアリを食べて生活しています。
もちろんハリモグラも卵を産みます。
カモノハシは絶滅危惧種?
世界自然保護連合(IUCN)によると、カモノハシは準絶滅危惧種です。
まだ、危機的状況ではないものの、個体数は減少傾向にあります。
オーストラリア独自の団体では絶滅危惧種とされ保護の対象になっています。
まとめ
日本で観察することのできないカモノハシ。
標本や全身骨格だと見ることができます。
全身骨格のお値段は16万円ぐらいです。
16万円あれば、オーストラリアに行って動いているカモノハシを見に行きたいようなきがします(笑)