モルモット

モルモットの性格や実験台としての歴史

愛らしいペットとして知られるモルモット。

しかし同時に多くの方が被検体としての「モルモット」という言い回しもご存知でしょう。

今回はモルモットの歴史を紐解きながら生態や習性、性格について深く暗い部分までをまとめてみました。

非常に重たい内容であり、聞き慣れない言い回しが多いと思います。

予め苦手な方は控えていただくようお願い致します。

モルモットの性格や生態

モルモットの原産は、南米で食用として古代インディオ(ラテンアメリカの先住民族)の手により家畜化された動物です。

野生下では憶病な性格から、乾いた高地に穴を掘るなどして集団で生活していました。

昼は穴の中でじっとしていて夜になると行動し始めます。

食性は草食で、性格は温和。

非常に強い警戒心から眠るときも目を閉じません。

身体を擦りつけ合うスキンシップや鳴き声によって群れの中でコミュニケーションを取る事が確認されています。

高温多湿に弱く、オス同士では階級制がみられます。

実験台としてのモルモット

モルモットのルーツである「ペルーテンジクネズミ」は1780年以降に愛玩用として普及するまで長い間、食肉用として家畜化されてきました。

しかし、人間と同様にL-グロノラクトンオキシターゼと呼ばれるブトウ糖をビタミンCに変換する酵素を持っていなかったため、優れた実験動物として用いられるようになりました。

薬物に対する感度も高く、これまでに病原体などの多くがモルモットのお陰で解明されています。

しかし軍隊などでは射撃訓練や爆風の威力を推し量るためにも利用されており、愛玩用として定着するまでの間には、数え切れない程の個体が殺されています。

今でこそ「可哀想」などという感情を抱かれますが、モルモットの犠牲の上で多くの病原菌が解明され、人間の為に役立ってきた事もまた事実です。

人間は、他にも多くの動物の犠牲の上で成り立っているという事を知らなければなりません。

日本では1900年代後半から、主に小型で場所を取らず繁殖が容易なマウスやラットを実験に用いており、多い年では年間に約一千万匹が使用されています。

食用としてのモルモット

紀元前5000年頃から近縁種が食用として用いられ、現代でもペルーなどでは食肉として年間約6500万匹が消費されています。

牛や豚など他の家畜に比べ場所を取らず、強い繁殖力から重宝され、一般家庭でも常備食として台所回りなどで野菜くずなどを与えながら放し飼いにしている家庭が多いです。

肉質は鳥のもも肉に似ており、ウサギ肉のような臭みは無く、揚げ物や焼き料理が定番。

レストランではとろとろに煮込んだスープとして提供され人気のメニューだそうです。

愛玩用としてのモルモット

1200年頃から品種改良が進められ、現在では多くの品種群が存在します。

日本に持ち込まれたのは1843年の長崎が初めてで、オランダ人の言った「マーモット」という語弊が元となり「モルモット」と呼ばれるようになりました。

現在は日本でも多くの品種が販売されていますが、日本で販売されている個体は殆どが雑種であり、最も近いであろう特徴を持つ品種名で販売されています。

日本は高温多湿の気向上モルモットとの相性が悪く、飼育環境を整える必要があります。

躾も犬や猫のように一般人が容易に出来る事では無いとされ、慣れる個体は購入する前に人間の手に臆するか否かを見極めるのが良いと言われてきました。

現在では多くのブリーダーが誕生し、世界的にも飼育環境が改善されたことにより人に慣れやすい個体や新たな品種が生み出され続けています。

飼育に対しての厳しい法律を定めている国もあり、動物愛護運動が世界的に活発化しているなか、日本は残念ながら欧米諸国に比べ動物愛護後進国と言われています。

しかし過激派による情報操作などで詳細は判断しかねますが、殺処分数や動物に対する意識改革が近年、飛躍的に高まってきている事は確かです。

まとめ

「モルモット」の歴史を紐解いていくと、結局全ては「動物愛護」の如何を問われる重たく暗い話になりがちですが、人間もまた、動物なのです。

生きる為に必要だったから他の動物を蹂躙し、家畜化し、食物連鎖の頂点に上り詰めたのが今の人間です。

しかし世界が平和になった事で人間は人以外の「命」の尊さを学び活かせる機会を得ました。

過去を変える事は誰にも出来ませんが、未来はアナタの手で変えていく事が出来ます。

人という種族が滅ぶ訳にはいきませんが、「共存」という形でこれからは多くの「動物」たちと寄り添いながら共に歩んでいける明るい未来を目指していきましょう。