モルモット

モルモットに野生っているの?想像ができない!

近年、その愛らしさから飼う人が増えているモルモット。

しかし本来、野生下においてのモルモットは何処で、どんな風に暮らしているのでしょうか? 

ペットとしての印象が強く、なかなか野生のイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。

今回は、現在に至るまでのルーツと知られざるモルモットたちの生態について詳しくまとめてみました!

日本にも野生のモルモットは居るの?

そもそも日本に限らず「野生のモルモット」は本来、存在しません。

同じ種族である天竺ネズミがルーツになっていますが、家畜用に品種改良された種類が現在のモルモットになります。

野生下において繁殖している個体は、心無い飼い主が飼育放棄し野生に放ってしまったものが繁殖したのでしょう。

天竺ネズミは南米に生息しておりモルモットのように愛らしい豊富な体色は無く褐色か灰色をしていて、どちらかと言えばリスなどの森に住むげっ歯類に似た見た目をしています。

南米では家畜として台所などで放し飼いにされており、ペルーでは「クイ」と呼ばれ食用として現在も地元民に好まれているんです・・・。

古くは祝いの席でのみ食べられる御馳走だったそうですが日本では考えられませんね。

野生では、どんな風に暮らしているの?

「モルモット」とルーツである「天竺ネズミ」とでは完全に一緒では無いですが、やはり似ています。

南米に生息する天竺ネズミは草原に巣穴を掘り5~10頭程の群れで生活しています。

同様にモルモットも野生下で繁殖した個体は5~10頭の群れで生活し巣穴を掘ったり、都会などでは街の片隅で隠れ家を作って生活します。

野生環境のため不衛生ではありますが、老廃物などで皮膚や体毛に油膜ができて水をはじく事で雨を凌いだり、身体に蓄える脂肪や筋肉量も飼育下の個体とは全く異なってきます。

本来、夜行性で草や茎を食べる草食動物ですが野生下での平均寿命が5~7年なのに対し、都会に生息する個体では生き残るために雑食性が増す事などから寿命が短くなる傾向にあるようです。

ペットのモルモットが野生化?

ペットとして品種改良されたモルモットたちが野生に放たれても生き抜く事は本当に困難です。

仮に飼育下で長く育てられた個体が野生下に放り出されれば途端に雨で全身の体温が奪われてしまい死んでしまうでしょう。

防衛本能も飼育下で薄れていますから、カラスなどに狙われてしまう可能性が高まります。

野生下で強く生き抜いている個体たちは何とか生きていく為の知恵を本能的に見出しているのだと思いますが、全ての個体が当然生き残れている訳ではありませんし、その努力を鑑みれば大変な苦労が見て取れます。

人間が人間の為に、人間の飼育下で育てやすいように品種改良された種類なのですから野生に放つなど余りにも身勝手な話ですよね。

家族として迎え入れる事を決めた始まりの日に立ち戻り、飼育放棄が無くなる事を願うばかりです。

野生とペットとしての大きな違いは?

やはり前述した皮膚や体毛に付く油膜の有無だと思います。

飼育下では定期的に洗い流したり、トリミングしてあげる事が出来ますが野生下では汚れていくばかり。

特にモルモットの種類によっては伸び続ける体毛が命取りになります。

また、体内でビタミンCを生成出来ない事を踏まえても栄養が偏り易く、多くの病気にかかる可能性が増します。

野生環境で生きていくのは至極困難なのです。

現在、野生環境で繁殖している個体は既にペットとしてのモルモットたちとは違う種で、人間の無責任さによって生み出された新しい種類と言えます。

ですから飼育環境下のモルモットと野生下での個体とを同じ種類として対比する事は出来ません。

どうしても飼えなくなってしまったら?

誰もが飼い始める時は最後まで愛情を注ぐと心に決めた筈。

しかし平均寿命でも5~6年、最近ではモルモットを育成する上での知識やフードの質も高まり10年以上も長生きしている個体が居ます。

その間に避けられない不測の事態は残念ながら起こり得るものです。

誰にも相談できず野生にそっと帰す・・何て事は決して選んではいけません。

生態系に変化を及ぼす以前に、モルモットたちは野生環境に他の動物より不慣れですから直ぐに命を落としてしまいかねません。

近場のペットショップや、最近では多くの里親募集サイトなどもありますから先ずは探してみましょう。

万が一、飼えなくなった場合でも里親さんや引き取り手を見つけるまでがアナタの責任です。

まとめ

人為的に家畜化されたモルモットたち。

飼育下で生きてきた個体を野生に放つ事は決して行うべきでなく、本来、野生下に存在しない筈のモルモットたちは圧倒的に弱者です。

突然野生に放たれれば、殆どの個体が生きていけないでしょう。

古くから様々な形で人間に寄り添ってきた愛くるしい彼らを、家族として最後まで愛情を捧げてあげて下さいね。